「第29回 病診連携Wの会」報告

(2006.6.10更新)

恒例の上記総会は、平成18年6月7日に予定通り行われました。
会はまず、議題「糖尿病と冠動脈疾患について」を、塚原玲子先生(済生会神奈川県病院循環器科部長)が講演された。特に冠動脈疾患治療の専門の立場から最近の話題と豊富な症例提示により、糖尿病管理の重要性について強調された。
次いで、今回は、特に診療報酬改正後の総会として、「これからの診療所体制と医療連携」について、大道 久先生(日本大学医学部 教授)に特別講演をお願いした。
今回の診療報酬改正の背景となった医療費抑制についてその問題点について将来像をしめしながら説明され、、その改正根拠について我々はどのような位置から考えるべきかを多くの例を示しながら解説された。
昨年のうちに示された医療制度構造改革試案の意味、そして医療計画制度運用の方向、診療報酬体系のあり方、見直しも含め今後の医療のあり方について、医療従事者としては日常診療の中でも常に考えながら進むべきであり、方向ずけも含め述べられた。医療費抑制が英国の医療崩壊を招き、その回復には医療費の投入だけでは回復しない実例も示しながら、抑制については慎重な配慮が必要であることも述べられた。しかし、現実には、大きな不満と医療に対する不安、このままでは、医師として限界すら感じる在宅医療の厳しさも質問の中で問われた。これに対しても、、今回の改正に不満のみでなく、広く背景と将来への展望も含めて、より良い医療への方向ずけために、医療の実態を社会にも支持され、理解されるような行動の大切さについても触れられた。特に、若い研修医の参加者には今後の問題提起として医療の崩壊を招かないように医学のみでなく、医療が行われる背景である医療制度の理解の大切さを強調され、多くの感銘を与えた。
今回は嵐のような制度改正の後であり、多くの参加者にとっても、極めて有意義な会であったことをご報告致します。
世話人一同


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